よもぎ餅の効能|栄養成分の健康効果と雛祭りで食される理由

よもぎ餅の効能|栄養成分の健康効果と雛祭りで食される理由

3月3日の雛祭りには、古くから草餅を食べる習慣があります。

古代中国で行われていた上巳節という厄払いの日に由来する雛の節句には、桃花酒(とうかしゅ)を飲んで草餅を食べることで邪気を払おうとする習俗がありました。

草餅の原料には母子草(ははこぐさ)という植物が使われていましたが、江戸時代にはより香りの強いよもぎが使われるようになり、現代にまで受け継がれています。

この記事ではよもぎ餅について、よもぎに含まれる栄養成分から期待される効能と、雛祭りで食されるようになった歴史について解説します。

よもぎ餅の歴史

よもぎは中央アジアの乾燥地帯が原産地と考えられており、古代中国では紀元前からお灸の原料として使われていました。

日本へは6世紀ごろに漢方医学や鍼灸の知識とともに伝わり、701年に制定された大宝律令の中にある「軍防令(ぐんぼうりょう)」に記載されています。

平安時代の永観2(984)年に、宮中医官を務めた鍼博士の丹波康頼(たんばのやすより)によって編纂された『医心方』にはヨモギの薬効や灸治療の解説があり、「名医草」と称されるほど重宝されていました。

ただ、当時は今のようにそこら中に生えていなかったのか、よもぎはあくまでも生薬やお灸の原料であり、身近に食される草ではなかったようです。

3月3日に催されていた上巳の節句では、厄払いに草餅が食べられていましたが、その原料はよもぎではなく母子草(ははこぐさ)でした。

母子草

草餅の原料がよもぎへと変わり始めたのは室町時代で、よもぎ餅が一般化したのは江戸時代になってからです。

「母子草(母と子)をすりつぶすのは縁起が悪いと考えられた」という説がありますが、単純に繁殖力の強いよもぎが江戸時代にはそこら中に広がり、母子草よりも入手しやすくなったからではないでしょうか。

現代でも3月3日のひな祭りに、よもぎを原料とした草餅や、よもぎで緑色に色付けした菱餅が食べられます。

願いは昔と同じで、邪気を払うためです。

実際によもぎは栄養成分が豊富で、血液を浄化する作用や強い抗菌作用があるといわれています。

健康長寿、無病息災をもたらす縁起の良いハーブなのです。

よもぎの栄養成分表(100g当たり)

よもぎの新芽 / 2026年2月26日撮影
  • エネルギー(43kcal)
  • 水分(83.6g)
  • タンパク質(5.2g)
  • 脂質(0.3g)
  • 利用可能炭水化物(1.9g)
  • 食物繊維(7.8g)
  • ナトリウム(10mg)
  • カリウム(890mg)
  • カルシウム(180mg)
  • マグネシウム(29mg)
  • リン(100mg)
  • 鉄(4.3mg)
  • 亜鉛(0.6mg)
  • 銅(0.29mg)
  • マンガン(0.84mg)
  • β-カロテン当量(5300μg)
  • ビタミンB1(0.19mg)
  • ビタミンB2(0.34mg)
  • ビタミンB6(0.08mg)
  • ビタミンC(35mg)
  • ビタミンK(340μg)
  • 葉酸(190μg)
  • ナイアシン(2.4mg)
  • パントテン酸(0.55mg)

出典:食品成分データベース
※このデータベースは、文部科学省が開発したものであり、試験的に公開しているものです。

よもぎ餅に期待できる効能

栄養成分豊富なよもぎを原料とするよもぎ餅には、さまざまな効能を期待できます。

造血作用

よもぎには良質なクロロフィル(葉緑素)が含まれています。

よもぎのクロロフィルには、血液を造るヘモグロビンを増やす作用があります。

さらにヘモグロビンの主成分である鉄分、赤血球の生産を助ける葉酸も豊富です。

よもぎには新しい血を造り、体内の血液を浄化する効能を期待できます。

腸内環境改善

よもぎのクロロフィルは食物繊維の5000分の1ほどの微細な分子で、腸の繊毛の奥に溜まった有害物質を吸着し、排出を促す作用もあります。

食物繊維も100g当たり7.8gと豊富に含まれているため、腸内環境の改善、便秘の解消などに役立ちます。

抗菌作用

よもぎ特有の有効成分として、カピリンという抗菌成分があります。

カピリンは様々な菌に対して強い抗菌作用を持ち、細菌やカビから守ってくれる成分です。

食品の防腐剤としても使われており、よもぎ餅の保存にも役立ちます。

冷え性対策

よもぎは古くから、身体を温める性質があるといわれています。

実際にクロロフィル、鉄分、葉酸など、血液の健康にかかわる成分が豊富です。

血液がサラサラになり、血行が促進されることで、冷え性への効能を期待できます。

よもぎ餅を食べて邪気を払おう

「ハーブの女王」ともいわれる万能の薬草よもぎ。

よもぎには健康長寿・無病息災につながる効能を十分に期待できますので、厄払いや魔除けとしての効果は古くから経験的に信じられていたのだと思います。

3~5月頃が旬ですので、3月3日の雛祭りに限らず、春を通して習慣的に食べたいですね。

ただ、よもぎ餅はあくまでもお菓子ですので、高カロリーで高糖質です。

食べ過ぎにはくれぐれもご注意ください。

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