福岡県宗像市のリラクゼーションサロン「ふわかるにこ」のです。
当サロンでは2022年に、「ホワイトイスキア」という品種のイチジクの苗を植えました。
3年が経った今、それはもう立派に育っておりまして、今年もたくさんの美味しい果実を頂くことができました。
クレオパトラの美の秘訣だったともいわれるイチジクの果実に、健康や美容への効能があることはご存じの方も多いかと思います。
でもイチジクは果実だけでなく、葉っぱも薬用として古代から利用されてきた歴史があるのです。
我が家でもイチジクの葉っぱを収穫して、お茶にして飲んだり、入浴剤や芳香剤として使ったりしています。
この記事ではイチジクの葉っぱの方に注目し、効能と使い道を紹介します。
イチジクは古代から伝わる薬用植物

イチジクはアラビア南部または南西アジアを原産とするクワ科の植物で、リンゴやブドウとともに最古の栽培植物といわれており、中近東では6千年以上も前から栽培されていたようです。
古代エジプトの壁画に描かれていたり、旧約聖書にたびたび登場したりと、古くから重宝されていた植物だったのでしょう。
食用としてはもちろん、薬用としての利用も広がり、薬草学の父といわれる「ディオスコリデス」が約2千年前にまとめた『薬物誌』にも登場し、皮膚の腫れや便秘などに効くと記されています。
漢方でもイボや便秘への薬効があるとされており、イチジクの葉は「無花果葉(むかかよう)」という生薬として扱われています。
日本への伝来は、江戸時代初期に中国から伝わったという説や、戦国時代末期にポルトガル人が苗木を庭に植えたという説などがありますが、食用よりも生薬としての利用が主であったようです。
そのほか、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダではイチジクの葉が肝機能障害の治療に用いられており、その効能は近年の研究によっても報告されています。
ちなみにイチジクの「無花果」という漢字は当て字で、イチジクの花は果実の中に咲き、外からは花が無いように見えることから当てられました。
イチジクの葉の効能
皮膚の腫れ


イチジクの実や葉を摘むと、切り口から白い乳液が出てきます。
この乳液には「フィシン」というタンパク質を分解する酵素が含まれており、イボに塗ると効果があるといわれています。
フィシン(ficin)はイチジクの学名 ficus に由来する、イチジク特有の酵素。
非常に強力な分解作用があるため、健康な皮膚に塗ると逆にかぶれてしまう恐れがあります。
あせも・アトピー・湿疹・痔などに効果があるという情報もありますが、いきなり直接塗るのは危険です。
漢方では痔への薬効について、乾燥させた葉を入浴剤として使用するとよいとされています。
まずはお湯や水で乳液の成分を薄めた状態で、パッチテストを行うようにしましょう。
便秘
2千年前に書かれたディオスコリデスの『薬物誌』でも、漢方でも、イチジクには便秘への効能があるとされています。
長い歴史の中で積み重ねられた経験によって、便秘への効果が伝えられていたのでしょう。
実際にイチジクには「ペクチン」という水溶性食物繊維が豊富に含まれており、やはり便秘への効能を期待できる植物です。
ペクチンを摂取するにはイチジクの果実を食べることが一番ですが、葉っぱを煎じて飲むことでも摂ることができます。
イチジクの葉茶は渋みが少なく、ほんのり甘い香りがあってとても飲みやすいので、ぜひ試してみてください。
肝機能障害

アーユルヴェーダでは、肝機能障害の治療にイチジクが用いられています。
こちらも長年の経験によって得られた知見なのでしょうが、イチジクの肝機能への効能は近年の研究でも報告されています。
2008年にインドで発表された研究論文によると、リファンピシンという肝機能障害を引き起こす物質を投与したラットに、イチジクの葉の抽出物を与えると、肝機能が保護されたとのことです。
あくまでラットに対する実験であり、これ以上の論文は探し出せませんでしたが、イチジクが伝統的に用いられていることを考えると、肝機能障害への効能を少なくとも否定はできないかと思います。
参照:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2792510/
高血圧・動脈硬化
イチジクの葉にはカリウムが豊富に含まれています。
カリウムは体内のナトリウム(塩分)の排出を促し、血圧を安定させる作用があるミネラルです。
また、イチジクはスコポレチンという成分も含有しており、こちらも血管拡張作用によって血圧を下げる効果を期待できます。
スコポレチンには動脈を柔らかくする働きもあるといわれているため、高血圧だけでなく動脈硬化への効能も期待できそうです。
抗酸化作用
イチジクの葉は、抗酸化作用の強いポリフェノールやビタミンCも豊富です。
公益財団法人東洋食品研究所で40品種のイチジクの抗酸化能力を測定する研究を行ったところ、ポリフェノールの一つであるルチンに抗酸化作用が認められ、ルチン以外にもイチジクの葉には複数のポリフェノールが含まれることがわかったとのこと。
参照:https://www.shokuken.or.jp/report/027/001329.html
体内の酸化を防ぐことは、あらゆる健康や美容の維持に役立ちますので、積極的に利用したいですね。
光毒性反応に注意?イチジクの副作用

このようにイチジクにはさまざまな効能を期待できる一方で、副作用にも注意が必要です。
上述した通り、皮膚の腫れに効くとされる白い乳液は、直接肌に触れるとかぶれを引き起こすリスクがあります。
古くから効能が伝わる便秘の解消に関しても、摂り過ぎると下痢になってしまう恐れがあるのです。
昔から「薬と毒はさじ加減」といわれているように、身体に良いからといって摂り過ぎないように注意しましょう。
また、イチジクに含まれているプソラレンという成分が紫外線への過敏性を高めるため、朝食べるのは良くないという話もあります。
プソラレンはグレープフルーツやミカンなどにも含まれている成分ですが、摂取した後に紫外線を浴びると日焼けしやすくなるというのです。
ただ、この話も大きく誤解されて拡散されているようで、よほど大量に食べない限りは問題ないとされています。
いずれにしても、一つの物ばかりを食べるのは偏食と変わりませんので、イチジクの果実を何十個も食べたり、イチジクの葉を煎じたお茶を何杯も飲んだりしないようにご注意ください。
イチジクの葉の使い道

芳香剤
乾燥させたイチジクの葉を部屋に置いておくと、ほんのり甘い香りのする芳香剤として使えます。
イチジクの葉の香りがする香水も市販されており、特に海外ではポピュラーなようです。
入浴剤
漢方ではイチジクの葉を乾燥させて、入浴剤として用いることで痔への薬効があるといわれています。
イチジク特有の酵素であるフィシンは、直接塗ると皮膚がかぶれてしまうほど強い作用がありますが、お風呂の中に入れて薄めることで程よく作用するのではないでしょうか。
あせもやアトピーなどの皮膚疾患や、神経痛にも効果があるといわれておりますので、ぜひ試してみてください。
ただし、特に肌の弱い方は、必ずパッチテストを行うようにしましょう。
冷え性やリウマチにも効くという情報がありますが、こちらはイチジクの葉によるものなのか、単純に温かいお湯につかることによる効能なのか、はっきりとしたことはわかりません。
でもイチジクの葉を湯船に入れると甘い香りが漂い、普通のお湯よりもリラックスできますのでオススメです。
お茶
イチジクの葉を煎じてお茶にすることで、さまざまな効能をもたらす成分をじんわりと摂取することができます。
便通の改善を促すペクチン、血圧を下げるカリウム、動脈硬化の予防に効果的とされるスコポレチンなどの成分を摂取できて、しかもクセがなく美味しいので、ぜひイチジクの葉茶を飲んでみてください。