古くから風邪の民間薬として利用されてきた金柑。
皮ごと食べられる金柑は、他の柑橘類と比べても栄養成分が豊富で、健康や美容に対してさまざま効能を持っているとされています。
この記事では金柑に含まれる栄養素と、期待される効能について解説します。
金柑に多く含まれる栄養素

ビタミンC
金柑には100g当たり約49mgと、レモン果汁(100g当たり50mg)に匹敵する量のビタミンCが含まれています。
レモン果汁を100g飲むには酸っぱ過ぎますが、金柑なら5~6個で100gになりますので、摂取しやすさも考えると金柑の方が効率的かもしれませんね。
ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠な栄養素で、骨・軟骨・腱・歯・血管などを正常に保つ働きがあります。
また、メラニン色素の生成を抑える働きにより、肌のシミやソバカスなどを予防する美容効果を期待できることから、多くの化粧品やサプリにも用いられています。
さらに、細胞の酸化を抑える抗酸化作用も注目されており、あらゆる病気の予防や老化防止への効果が期待されている栄養素です。
食物繊維
金柑には100g当たり約4.6gの食物繊維が含まれています。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、金柑には両方ともバランスよく含まれています。
水溶性食物繊維には腸内の善玉菌を増やす働き、不溶性食物繊維は便のかさを増やす作用があり、腸内環境を整えて便通改善や免疫力アップを期待できる栄養素です。
ただし、食物繊維を摂り過ぎると下痢や軟便になる恐れもあるため、金柑の食べ過ぎには注意しましょう。
ヘスペリジン
ヘスペリジンは柑橘類の皮に多く含まれるポリフェノールの一種です。
別名「ビタミンP」とも呼ばれ、ビタミンCと同じく抗酸化作用を持ち、毛細血管を強化する働きがあることから、血流の改善や高血圧の予防、コレステロール値を低下させる効果などが期待されています。
金柑は皮ごと食べますので、ミカンやオレンジのように皮をむいて食べる柑橘類よりも効率よくヘスペリジンを摂取することができます。
β-クリプトキサンチン
β-クリプトキサンチンは、橙色の柑橘類に含まれるカロテノイド色素の一種です。
体内でビタミンAに変換され、目・皮膚・粘膜の健康維持や免疫力向上に役立ちます。
研究により糖尿病、関節リウマチ、動脈硬化等のリスクを低下させる可能性があることが示されている栄養素です。
カルシウム
金柑はカルシウムの含有量も果物の中でトップクラス。
100g当たり約180mgものカルシウムが含まれています。
骨や歯の構成成分であるカルシウムは、不足すると骨粗しょう症などのリスクが高まります。
それだけでなく、神経の興奮(イライラ)を抑えたり、筋肉の収縮を助けたり、血液凝固を促進したり、ホルモン分泌を調節したりと、健康に生活するうえで欠かせない働きをたくさん持っている栄養素です。
D-リモネン
D-リモネンというのは、金柑などの柑橘類に含まれる芳香成分です。
リラックス効果だけでなく、血行促進や免疫力向上など、心身の健康維持に役立ちます。
金柑の効能

風邪の症状の緩和と予防
金柑は古くから風邪の民間薬として利用されてきた果実で、現代でものど飴によく利用されています。
漢方では「金橘(きんきつ)」という生薬名で、痰を取り除いて咳を止める「化痰止咳(かたんしがい)」の効能があるとして用いられています。
実際に金柑に多く含まれるビタミンCやβ-クリプトキサンチンは、抗酸化作用によって免疫細胞の酸化を抑えることで、風邪の予防につながる栄養素です。
芳香成分であるD-リモネンにも抗炎症作用があり、血管の柔軟性を高めるヘスペリジンの作用と相まって、喉の炎症や痛みを鎮める効果を期待できます。
血管の健康維持
血管の壁をしなやかに保つヘスペリジンの作用により、動脈硬化や心筋梗塞などのリスクを減らす効果を期待できます。
ヘスペリジンは血管の老化を抑えたり、血圧の上昇を抑制したりと、血流を改善することで心血管疾患への効能を期待できる栄養素です。
さらに金柑にはコレステロールの吸収を抑える食物繊維も多く含まれており、あらゆる生活習慣病の予防にも役立つといわれています。
腸内環境の改善
金柑には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれています。
水溶性食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境の改善に役立つ物質です。
不溶性食物繊維は便のかさを増やし、腸のぜん動運動を促すことで便秘解消にもつながります。
腸内環境が良くなると、免疫力の向上や肌の改善にもつながるといわれており、さまざまな健康と美容への効能を期待できます。
肌のコンディションアップ
金柑には抗酸化作用を持つビタミンC、β-クリプトキサンチン、ヘスペリジンが豊富に含まれています。
活性酸素の増加を抑えて、皮膚の細胞の老化を防ぐことで、肌の健康をサポートしてくれます。
ビタミンCにはシミやソバカスの原因となるメラニン色素の生成を抑える作用もあり、いろんな化粧品やサプリに利用されている成分です。
薬膳としての金柑

金柑の原産地は中国の長江流域といわれており、中国では古くから漢方や薬膳に用いられてきました。
実を皮ごと、種まで利用でき、金柑の葉も漢方薬に使われることから、捨てる部分のない優秀な果樹なのです。
薬膳の考え方では、金柑には「理気類」という気の巡りを整える効能があります。
体内の気の滞りを解消することで、胃腸の働きを良くして消化を促進したり、イライラをつかさどる肝の働きを良くしたりと、なんとなく重たい体を軽くする効果を期待できます。
漢方においては化痰止咳の作用があるとされ、咳や痰を鎮める風邪薬として利用されてきました。
その他にも体を温めて冷え性を改善する効果や、二日酔いにも効くといわれています。
金柑には皮に栄養が詰まっていますので、皮ごと食べて、日頃の健康維持に役立てましょう。
金柑の成分一覧(100g当たり)

- エネルギー(67kcal)
- 水分(80.8g)
- タンパク質(0.5g)
- 脂質(0.7g)
- 炭水化物(17.5g)
- 食物繊維(4.6g)
- ナトリウム(2mg)
- カリウム(180mg)
- カルシウム(80mg)
- マグネシウム(19mg)
- リン(12mg)
- 鉄(0.3mg)
- 亜鉛(0.1mg)
- 銅(0.03mg)
- マンガン(0.11mg)
- β-カロテン当量(130μg)
- ビタミンC(49mg)
- ビタミンE(2.8mg)
- ビタミンB1(0.1mg)
- ビタミンB2(0.06mg)
- ビタミンB6(0.06mg)
- 葉酸(20μg)
- ナイアシン(0.6mg)
- パントテン酸(0.29mg)
出典元:食品成分データベース
※このデータベースは、文部科学省が開発したものであり、試験的に公開しているものです。